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「音波」というペンネームをつかっています。


by rui-joe

てんぷら

01

はじめに主は言われた、「てんぷらのぷらあれ!」

02

てんぷらのぷらの父は波浪警報、母は流しの陶芸教室であった。

03

てんぷらのぷら!その妙なる調べに私の五感は陶然となり、意識は幽明の境をただよう。低音域から一気に駆けあがるかのような音符の連なりは、私の精神をも高揚させてゆくかのようである。宇宙のすべては渾然となって、てんぷらのぷらと私との、永遠の対話の中に集約されていくのである。

04

ぼくはおおきくなったら、てんぷらのぷらをやっつけてみせる。もうだれも、こんなかなしいきもちにならないように、かならず。そう、かならずだ。

05

ちょっとシャイなカレシに、勇気を出させるための恋のマホウって知ってる?お風呂に入って体をきれいに洗ったあと、ピンクローズの香水を一滴、それから、てんぷらのぷらをお湯に落としてみて。よーく洗って、ぴかぴかのカラダになってからじゃないとダメ。それからじっくり、そのお湯を体に染み込ませるの。そうしたら、必ずカレのほうから誘ってくれるんだって♪

06

はい、裁判長。わたしが店に勤めていたころから、鮮度の落ちたてんぷらのぷらの部分だけを、再利用してもう一度お客様にお出しすることがありました。ご承知のように、てんぷらのぷらの部分だけでしたら、よほど舌の肥えたお客様でなければ、すこし古くなったものを使っても気づかれる恐れはありませんでしたから。そのような店のやり方が嫌になって、わたしは今の店に移ったのですが・・・。ええ、裁判長、わたしとしても、今回このような問題になって、とても残念な気持ちです。

07

われわれに!てんぷらのぷらがある限り!われわれはこの先何年でも戦うことができる!われわれは選ばれた民であり、われわれの理想の実現を拒む愚昧な他民族どもを、てんぷらのぷらの威光によって正しい道に導くことこそ、われわれの真の使命なのであるからだ!

08

てんぷらのぷらの秘密を教わってあなたはだんだん母に似てくる

09

宇宙空間には何もないという立場と、宇宙空間はてんぷらのぷらで満たされているとする立場がかつてあったが、光の速度を厳密に測定することが可能となった現在では、宇宙はてんぷらのぷらでいっぱいであることが明らかになっている。

10

みんな自分の小さな幸せを守るために、精一杯になってがんばっている。どんな嫌なことがあっても、翌日には今日と同じ時間に起きて、知らない人とぶつかり合いながら満員電車に乗って、会社に通わなくっちゃならないんだ。そうやって疲れて疲れて疲れきって、ああ、これは本当にもうダメかもしれないなって思ってしまったら、そういうときには、てんぷらのぷらのことを考えるといい。みんな、おんなじなんだよ。なんだか分からないもの、すごく恐ろしいものと立ち向かわなきゃならないときは、きっとてんぷらのぷらが役に立つんだ。だっててんぷらのぷらは、誰からも近い、すごく近いところにあるんだからね。
by rui-joe | 2011-01-23 03:30 |